君が好き~16歳ママの恋~
「だから、待っていてほしい」
「え……?」
なんて言ったの?
待っていて?
「いつになるか、分からない。
でも、待っていてほしいんだ。
オレが一人前になって迎えに行くまで。
それで、迎えに行ったら、結婚してほしい」
何言ってるの?
そんなの、決まってる。
もちろんって言いたい。
でも、夢羽のことも考えなきゃいけない。
いつまでも父親なしじゃかわいそうだから。
「10年、私の人生の分岐点になった12歳に、夢羽がなるまでなら待ってる。
それ以上遅くなったら、私、ほかの人と結婚する」
「頑張るよ」
日向はふわりと笑った。
けっして、私を責めるような笑顔じゃない。
「許さない!」
黒い人影が、日向と私の間に入ってきた。