君が好き~16歳ママの恋~


「ねえ、ママ?」


夢羽が言いづらそうに口を開いた。


「パパが期限に間に合わなかったら、本当に、別の人がパパになるの?」


「……いや?」


「いやだよ。パパは1人でいいもん」


日向をパパだと言ってる時点で、2人は父親ができてるんだけどね。


「でもね、ママにも、お父さんとお母さんは2人ずついるよ?」


夢羽にはまだこの話はしてない。


きっと、なんで?って聞いてくるね。


「いやじゃなかった?」


あれ、なんで?じゃないんだ。


「その時はママも子どもで、おじいちゃんたちに助けてもらわなきゃ生きられなかった。

だから、いやとかいう感情じゃなくて、助かったって思ったんだよ」


「助かった……?」


生まれてからお嬢様生活だった夢羽には、想像もできないよね。

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