君が好き~16歳ママの恋~
家に帰ると、見知らぬ靴があった。
「お客さんかな?」
「夢羽、ちゃんと挨拶してね?」
「分かってるよ」
お父さんのお友達か、お母さんの会社の人だろうな。
夢羽が先にリビングに入っていった。
「あ、おかえり。ママは?」
「来るよ」
お姉ちゃんと夢羽の会話が聞こえてくる。
もう、夢羽ったら、靴並べないと、お客さんが帰る時こまるのに……。
よし、これでいいか。
リビングにいたのは、懐かしい笑顔だった。
「日向……?」
「え、パパ?!」
夢羽はいつも持ち歩いている写真を取り出す。
「全然違う……」
「それ、8年前のだから」
「老けてる……?」
「まだそんな歳じゃないよ。大人になったって言ってあげて」
戸惑いを隠せない夢羽に、お姉ちゃんが冷静に返している。