あたしの正義
それはもっとカメラを向けて欲しいっていう思いからだろう。
なんだろうね。
雛も里香も同じように我が強い。
だから誰よりも目立ちたいんだろう。
「うんおわり。次の人お願いします。」
「つまんない。」
「自分で映像見てみなよ。つまらないなんて言わせないから。」
「…雪音ってずるいよね。そうゆうところ。」
「は?」
「なんでもないよ!バーカ!」
ベチンと頭を叩かれた。
意味がわからない。
ただ思ったことを言っただけなんだけどね。
モデルってのは何気に繊細な生き物。
だから深くは追求しないけど。
「里香お疲れ。」
「雛ちゃん!」
「これ可愛い。流石。」
「雛ちゃんには敵わないよ。」
「…そんなこと思ってないくせに?」
「あはは?何のこと?」
「でも雪音っちは凄いよね。」
「そうだよ。」
「あたし雪音っちに撮られたらいつも楽しくて堪らない。だからあっと言う間に撮影なんで終わっちゃう。」
「同じだよ雛ちゃん。」
そんな会話をしていたことを雪音は知らなかった。
そんなことよりも今、視界に入ったある人物に目を奪われていた。