あたしの正義



「………なんでアリスがここにいるわけ?」



ふう、と息を履こうとしたとき、聞いたことのある声がした。
あたしは顔を上げてその人を見る。

そして息が止まるような感覚に陥る。
そこには思ってもいない人がいたから。



「雪音!!?」

「声でかいって。」

「雪音がなんでここに!?」

「俺はここの専属カメラマンだから。」

「うへぇ。」



気づかなかった。
多分今のあたしは雛さんと里香さんに夢中になり過ぎていたから。

でもまさか雪音がカメラマンなんて。

こんな偶然あるのか。

もう会わないと思っていたのにこんなに早くにまた会うなんて。



「初めての撮影だよね。」

「う、うん。」

「ま、緊張しないでリラックスしてやってみなよ。」

「おおおおおう。」



結構驚きすぎてどもってしまった。
これは誤算だ。

昨日いろいろやらかした相手がまさか…カメラマンでまさか…こんなあたしを撮ることになるなんて。





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