あたしの正義
「つうか今日の撮影なんだよ。」
「ダメでしたか?」
「ダメダメ。お前もやっぱり初心者だわ。」
「今日が初めての撮影なんですから当たり前です。」
あれが初めてってあり得ないわ。
やっぱり俺は見る目がある。
アリスはあんなところにいるべきやつじゃなかった。だからこの業界に引き連れた。
きっとこいつなら大丈夫。
褒めることはしないけど内心はワクワクしてんだ。
だから頼むよアリス。
「あいつと知り合いなの?」
「あいつとは?」
「望雪音だわ。」
「雪音のこと知ってるんですか?」
「あいつも俺が唾をつけた奴だからな。」
「汚いです。」
「絞め殺すぞ。」
撮影をしているとき、アリスと雪音は知り合いみたいだった。
ここにアリスの知り合いがいるなんて思ってもいなかったよ。
だからちょっと驚いてる。