あたしの正義
「雛ちゃんこんなバカ新人なんて無視して行こうよ!」
「いやあたしは行ってもいーけど?」
「え!?」
「やったね!」
笑顔でガッツポーズをするアリスさんは裏がない笑顔だった。
だから余計に嬉しい。
だって私の地位目的で近づいてくる人なんて嫌だもん。
「じゃああたしも行く!」
「里香さんもいたら楽しいです。」
「雛ちゃんが行くからだけどねぇ。」
「正直だね〜。」
「当たり前だよ。」
里香はあたしのことをよく慕ってくれている。
それは嬉しいことだけど今は里香がどんどん成長していくのが怖い。
いつかあたしを超えて別世界に行っちゃうんじゃないかって。
でもあたしも変わった。
昔はこんなことを考えるなんてありえなかった。
ただ純粋にモデルを楽しんでいたのに。
なんでこんなふうになってしまったんだろう。