あたしの正義
「お疲れさま。」
そんなときあたしに話しかけてきた雪音っち。
雪音っちは眠たそうにあくびをしていた。
「今日遅刻なんて珍しいよね。」
「うん。ごめんね。」
「眠たそうだしなんかしてたの?」
「いや…別に?」
チラッとアリスさんを見た。
そんなアリスさんはギクリと肩を上げた。
アリスさんが撮影に入ってから思うことがある。
初めて雪音っちと向き合ったのにどこか楽しそうに会話をしていた。
もしかしたらこの2人は知り合いなのかもしれない。
でもめずらしいよ。
雪音っちは女の子に興味がないからこんなふうにモデルのあたしたち以外と話すところを初めて見たから。
ちょっと妬けちゃうよね。
アリスさんは何故だか不思議なオーラがある。
「………さ、さあ行きましょうか!」
「アリスってモデル経験あるの?」
「雛さん里香さんなにが食べたいですか?」
「へえ〜〜。シカトね。」
「………………何か文句でも?」
「これ返すよ。」
「………。」
……やっぱりこの2人はなんかある。
そして知り合いでありながらもちょっと棘のある関係。