あたしの正義
意気揚々とどこで食べようかと街をふらふらしているときだったんだ。
あたしはあまりにも楽しみすぎてスキップ混じりでここを歩いていた。
でもそんなとき、ガン!と物凄い勢いとともに誰かとぶつかってしまう。
そしてパリン、とメガネを踏み潰してしまった。
「ご、ごごごめんなさい!!」
「……め、メガネが。」
「うおおおお!?」
見事に割れたレンズ。
女の人は慌ててそのメガネを拾うものの、もうそれは使い物にはならなかった。
「どうしよう…。」
「アリスなにやってんの?」
「アリスさん…。」
「弁償します!!」
アタフタしたあたしはすぐにお財布を出してお金を出そうとした。
でも彼女はかなり困った顔をする。
「どうしよう……このあとショーがあるのに。」
「ショー…?」
「うん。そこの広場でショーがあるの。それに出る予定だったんだけど…これじゃ周りが見えなくて出来ないよ。」
広場をみるとお客さんがもうすでに席についている状況。
開演は1時間半後。
なのにもうすでにこんなに人がいるのはすごい。
まさかこの人すごい有名人とか…。
「コンタクトは?」
「あ、そうですよ!コンタクトをすればきっと!」
「…あたしコンタクトが合わない。だからメガネしかしてない。かなり視力悪いし、こんなんじゃ、」
「ぬわぁぁぁぁ!!ごごごめんなさい!!あたしどうすれば!!?」
やってしまった。