あたしの正義
「でもメガネがないとあたし演奏は無理。だから今回はしょうがない。諦める。あたしの不注意でもあるし。」
「おいアリス。どうすんの。」
「雪音っち!アリスさんのせいでもないんだから攻めるような言い方やめなよ。」
「………大丈夫ですから。」
ふらふらな足取りで立ち上がる。
でも視力が本当に悪いみたいでたくさんの人にぶつかる始末。
だからあたしは咄嗟に城ヶ崎さんの腕をとる。
そしてまた勢い余って言ってしまったのだ。
「あたしがなんとかします。ショーが成功すればいいんですよね?」
「え……。でもそんなことできるの?」
「出来ますとも!この三人で力を合わせれば!」
「は?」
「え?」
「本当に?本当にお願いしても大丈夫なの?」
「ええ。勿論です。」
城ヶ崎さんはパッと顔を明るくさせるとあたしの手を握る。
でもそこ手じゃないよ。
服だよ。
なんてことはいえない。
だってそんなことよりも。
雪音と雛さんが物凄い形相であたしを見ていて怖いから。