あたしの正義



あれはアリスさんにぶつかった1時間前の話。

あの時のあたしは勿論このステージでのショーをやり遂げるつもりであった。


でもそんなあたしを弱虫にさせてしまう連絡が入ったんだ。



“今日、観に行く。”



たったそれだけのメール。
でもあたしにとってはかなり重大なメールだったんだ。



このときからあたしはもう演奏をする気を無くしていた。そのメールの相手はあたしが好きな相手。

大好きで大好きで堪らない相手。

本当は嬉しいよ。でもその曲を奏でるのはあたしには無理だった。

だって気持ち悪いよね。
勝手にその人を想像して作ったの曲なんて気持ち悪いよね。

だからあたしは逃げたんだ。




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