あたしの正義
「城ヶ崎さん。今回はあのバカに免じてやるだけだからね。」
「え?」
「雪音っちもこのショーに協力してくれるって事ですよ。とりあえず行ってきますね。」
「………ありがとう…。」
ギュッと拳を握りしめた城ヶ崎さんはそう言った。
顔が暗い。
一体なにがあったのだろう。
話してくれないとわからない。
でも今はそれよりもショーを成功させることだ。
「雛行くよ。」
「うん!」
おかしいな。
あたしも……アリスさんに影響されちゃったのかもしれない。
アリスさんの顔はいつになく本気で正直怖いくらい。
あのときの撮影といい、今日の事といい、アリスさんには怖いものがないんだろうか。
あたしが今できる事は……この会場を盛り上げる事。
大丈夫。あたしならできる。
だから雪音っちとアリスさん。
演奏のほうは任せたよ。