あたしの正義


城ヶ崎ののか



「ありがとうございました!!!」



歌いきった!もう爽快だよ!
大歓声が聞こえる。

視力が悪くて何にも見えないけど拍手だけはちゃんと聞こえた。

見てくれた?
ねえ……達也。
ちゃんと見てくれた?



初めは恥ずかしかった。
でも今は違う。

やっぱり歌う事は大好き。
逃げてた自分がバカみたい。

いいんだ。
あたしの武器を見せてあげないと。
あたしにはこれしか取り柄がないから。




「お疲れさまでした!素晴らしかったですね!」

「……ありがとうございます。でも!!ここまで歌えたのはみなさんのおかげでもあります。」

「城ヶ崎さん、」




謝らないと。
アリスさんに謝らないと。


あたしは最低な真似をした。
でも変われるタイミングを作ってくれた。



アリスさん。




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