あたしの正義
「城ヶ崎さんに会いませんか?」
「……ののかは俺に会ってくれないよ。」
「何で?」
「俺はののかに嫌われてるから。」
「バカじゃないですか?こんなにも思いの詰まった曲を作ってるのに?」
「だって俺!ののかに距離置かれてんだもん!」
「なら無理矢理でも縮めるしかないじゃないですか!!!」
久しぶりに大声を張り上げてしまう。
それに驚いてる達也さん。
でもね苛立つの。
相思相愛なのになんで身を引こうとしてるの?
わざわざここまで来たんでしょ?
ならちゃんと会わないといけないじゃん!
「でもどんな顔して会えば、」
「ドンとしてればいいんです!!」
「ッ、」
「ほら行きますよ!」
今度はあたしが達也さんの腕を引く。
そして裏に連れて行く。
「おい、」
「行ってらっしゃい!」
ドンと背中を押す。
軽く体勢を崩した達也さん。
でもそこにはちゃんと城ヶ崎さんがいるんだよ。