あたしの正義



「あーっ!ほんとにアリちゃんって俺への扱い雑!」

「そうかな?」

「そうだよ!!でも俺はちゃんと知ってるからね!」

「なにを?」



あたしへの抱きしめる力が強くなる。
御門の吐息が耳にかかり擽ったい。



「アリちゃんが優しいってこととすんごい努力家ってことと誰よりも泣き虫だってこととあと……みんなの正義のヒーローだってこと。」




“正義のヒーロー”
その単語を聞くのは久しぶりだ。




「いまだって俺を突き放すことができるのにそれをしないじゃん。それってまだ期待していいってことだよね?」

「……ちょ、なにそれ。」

「俺は絶対に、」




御門があたしの頬に触れた。
愛おしそうなその顔は…嘘をついてない。





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