あたしの正義
………
「遅くなりました。おはようございます。」
「おはよう雪音。一時間の遅刻なんてなかなかなめてるんじゃないの?」
「…申し訳ございません。」
「訳はあとできくわ。あんたのせいで撮影が始まらないの。遅刻した分めちゃめちゃいい写真撮らないとぶちのめすから。」
「……はい。」
べしんと背中をけられた。
怪力の如月さんの一撃はかなり痛いものだ。
でも俺がいけないのだから、文句なんて言わない。
「おはようございます。遅れてすみません。これから始めるのでモデルさんスタンバイお願いします。」
「雪音っち遅いじゃん。待ちくたびれちゃったよ。」
腕を組んで俺に文句をつけてきたのはモデルの百瀬雛。この雑誌のトップモデル。
「雛ごめん。とりあえず始めるよ。」
「こんなときなのにさっぱりとしてる雪音っちは変な人だよ。」
「早く。」
「はいはい。」
まだ俺に文句を言いたっかたみたいだけど仕事モードに切り替えた
。
今から始める撮影のテーマは「白」
この色がない衣装をどう魅せていくか、それはモデル次第。
俺がやるべきことはモデルをいかにきれいに魅せるか。
それと「白」をどう生かしていくか。
それが問題だ。