大好きな君の嘘
女の嫉妬
昨夜、山崎についていた藤堂平助が

屯所に戻り、報告を聞く為

幹部が集まった

君菊も洗濯を終え、参加


藤堂が話を始めようとしたその時


君菊が立ち、皆に

静に と、口に人差し指を当てた

そして、土方の方になんか話せと

身ぶり手ぶりする


「今日は、この前入った隊士達の割り振りをする!」


思いつきで、適当に話し始める

その間、君菊が天井を見上げる


視線が襖の外に移り

スッ と右手にクナイをだし、投げた



シュッ





「うわぁーー!!!」


スパーーン 

君菊が勢い良く開けた襖の向こう

廊下で尻もちをついたのは、山崎だった


「あれ? お兄ちゃんやん!!
わっ 襖 破ってしもた…もう!!
紛らわしいねん!!ドアホ!!」

「お前なぁ 当たったらどないすんねん!」

「ちゃんと外して投げたわ!!」


「よくわかんねぇけど、中入れ…」




二人が中に入り、一緒に座る


「君菊、お前も忍だったわけか?」

「…ハイ」

「すげぇ!!強えはずだな!!」

「おぅ 本物のくノ一初めて見た!!」




興奮する原田と永倉を睨み

「報告しろ!」

「まず…与一にバレまして」

「そやろなぁ」

「それから、明日の夜
小楽は、長州の者を匿っている屋敷に
呼ばれているようです」

「平助の方は?」

「小楽の方も、君菊の廻りを探らせている
チョロチョロと動く奴らがいたから」

「念のため、今夜も山崎が潜入しろ
んで、斎藤付き添いを頼んだぞ」

「「はい」」


「お兄ちゃん、与一も元忍やから
なんかあったら、つこてええよ」

「は?与一もかい!!」

「忍って、結構身近にいるんだなぁ」

「与一は、うちの見張り役や」



見張り役という単語に、固まる



「ん?どないしたん?」



「とにかく、頼んだぞ!」

「「はい」」



報告会が解散となり、君菊も掃除でもしようと立つが


「花 少しいいかい?」


近藤に呼びとめられ

土方 山南と四人


「なんですか?」


「おめぇの許婚ってのは、何者だ?」

「さぁ ええお家柄の人なのは、確かやな
そんなこと気になります?」

「聞いただけだ」

「本は、どうだったかな?」

「すっごく面白いです!!
あとちょっとで読み終わるとこやってんけど、土方はんがケチ言うさかい」

「何があとちょっとだ!馬鹿!!
半分以上あっただろ!!」

「近藤はん… 土方はんは
なんでこないに怒りんぼうなん?」

「これは、普通なんだよ」

「ホンマ!?
はぁ~普通なんや!!」





盛大に驚く君菊を近藤と山南がクスクス笑うが、土方はムスッとした




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