大好きな君の嘘
「新選組だ!!大人しくしろ!!」


屋敷を包囲して、突入した

広間にいた小楽達は、右往左往したが

すぐに捕らえた


「君菊は、どこだ!!!」

「さぁ?今頃、良いことしてるんやない?
大事にされてきた綺麗な体をけがしてるんや!!いい気味や!!! うっ…」


与一が、小楽を斬った


「探しに行きましょう
屋敷内におるはずです!」

「あぁ」








   *     *     *









君菊は、薬を盛られていた
グラグラ揺れる景色の中に、見知らぬ男達が近づくのが見えた

思うように動かない体で、必死に抵抗した


(土方はん!!助けて!!)




ガターーン



「離れろ!!コノヤロー!!」

「君菊!!」



土方と与一が男らを倒した


「君菊!!おい!!しっかりしろ!!」

「薬ですね」

「酷ぇことしやがる!!クソッ」

乱れた着物を正してやり、ぐったりとした
君菊を抱えた

「目ぇ瞑ってろ…もう、大丈夫だ」



君菊は、目を閉じた


安心したように、意識を飛ばした



屯所に連れ帰り布団に寝かせた


「与一、すまねぇが仕事が終わったら
山崎をこっちに頼む
悪い薬じゃなければいんだが…」


「わかりました
あの、君菊をよろしくお願いします」

「ああ」





しばらくしてから、山崎が戻った


「副長…おおきに
危ない処やったそうで…
小楽の奴、君菊に嫉妬してたんやなぁ
こんなことするほど…」

「どうだ?」


「大丈夫です
体から薬が消えたら、問題ないですね」

「すまなかった… 俺が、もっと警戒していれば…」

「や、副長
菊は自分でどうにか出来る強さ持ってます
一度ならず二度までも
どないしたんやろか…
もうしばらく、君菊の代わりをやっときますわ!コイツのこと、よろしゅう」



スヤスヤ眠る君菊のそばで、土方は

徹夜した


仕事をするわけでもなく

君菊のそばにいた

















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