大好きな君の嘘
二人きりで、夕餉を食べる


あまり、食べられなかった


「無理すんな」

「ごちそうさんどす」





「なぁ 聞いていいか?」

「なんです?」

「なんで敵だとか言ったんだ?」

「それは……」


(土方はんに惹かれるのが、怖かった
なんて、よお言わん!!)


君菊がぽっと赤くなる


「……」

土方は、その反応をマジマジと見た


(なんだ?なんで、こんな熱っぽい顔してんだ?)


「何の話やったかいなぁ?」


(げ…あからさまに話をそらしやがった)


「忘れた」

「うちも」


(この続きは、絶対に言わす!!
でも、仕返しだけ… )



土方は、君菊に口づけをした



「俺の寝込みを襲った仕返しだ」

「おっ 起きてはったん!?
いやや~ えげつないなぁ!!
//////////// しらんしらん!!」

「ぷっ 子供みたいに照れて暴れるなよ!」

「子供て!!もぉ~いややぁ~」


「君菊 もう一回」


そう言って、土方が君菊に口づけした

先ほどよりも長く、深く


君菊も、この口づけに答えた


唇が離れると、土方が君菊の頬を撫でる



「うち、許婚がおるんやった…」



「そうだな」



「あかんなぁ…」



「そうだな」



抱き合うと、どちらもドクドクと心臓が高鳴った



なにも語らず、ただ抱き合ったまま

お互いの体温を感じた



「お膳下げてくる」

「お願いします」

「寝てろよ」

「はい」










土方が部屋に戻った時には、すでに

眠っていた







(許婚か…)


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