大好きな君の嘘
「どないしたんや?与一はん?
もう、見張りもいりまへん…
ご主人のもとへ、お帰りやす」
「俺…君菊が好きや!!
だから、あんな事してしまい
傷つけて…
すまなかった…
もう、しない… だから、今まで通り
俺をそばに置いてくれ!」
「慶喜様に、無理を言って破談にしてもらったんや
どうしても、ここに居りたいなら
自分で慶喜様に頭を下げなはれ」
与一は、本当に慶喜に頭を下げ
解雇して貰った
「慶喜様は、人が良すぎどすな…
与一はんも、なんでうちを選んだんか…」
「君菊を主として、尽くします」
「勝手にしぃ」
必要以上に人との関わりを減らした
新選組の宴会では、舞踊のみ
酌もしない
土方の隣には、花君太夫がいる
見ないようにしていても、見てしまう
(あかんな…早う忘れななぁ~)
座敷を出て、次の客 島田屋と会う
「島田屋はん…
うちな、身を売ろうと思ってまして
せやけど、言うておきながら
踏ん切りがつかへんゆうか」
「結婚が破談になったからて、君菊が責任感じることやない
君菊には、芸があるやないか
そういうことは、好いた男とせな
虚しいだけやで?」
「はぁ?そうどすか…
島田屋はんにいつも、相談さしてもろて
助かりますわ
おおきにどす」
君菊は、島田屋に話すとホッとして
笑う
「そうや、君菊
これ、少ないけど先日の礼や」
「気にせんといて!!
料理は、好きやからええんどす」
「いや、昼間にわざわざうちに来てもらったんだ
これは、給金なんだから!」
スパーン!!
「この馬鹿!!何を考えてんだ!!
こんな少ない金で、身を売ろうってのか?
こい!!!」
物凄い剣幕で、入って来た土方に
グイッと立たされ、連れて行かれる
「ちょっと!!土方はん!!なんどす?」
番頭の処まで行き、ダンッと金を置いた
「君菊は、俺が買う」
あっという間に、部屋で二人きり
「あの… 土方はん
なんのつもりどす?」
「お前を買うっつってんだ!!」
(身を売る話を聞いたのね
与一のバカ!うちに尽くすって
言ったのに、また裏切られた)
「ほな、土方はんがうちの初めてのお客はんになってくれるんやね?」
「…ああ」
(涙を流すのは、いつぶりやろか…
島田屋はんは、好いた男とせなって
言うてたけど、ちゃうな
好き合うてへんとあかんのや
うちだけ好きで
土方はんは、ただ買っただけ
虚しいて、たまらへん…)
涙を見られないように、背を向け
着物を着る
もう、二度とこういうことはしないと
決めた
眠る土方を残して
部屋を出た
「君菊」
「口が軽いんは、治してほしいもんやな」
君菊を待っていた与一に、それだけ言ってから
自室に籠もった
もう、見張りもいりまへん…
ご主人のもとへ、お帰りやす」
「俺…君菊が好きや!!
だから、あんな事してしまい
傷つけて…
すまなかった…
もう、しない… だから、今まで通り
俺をそばに置いてくれ!」
「慶喜様に、無理を言って破談にしてもらったんや
どうしても、ここに居りたいなら
自分で慶喜様に頭を下げなはれ」
与一は、本当に慶喜に頭を下げ
解雇して貰った
「慶喜様は、人が良すぎどすな…
与一はんも、なんでうちを選んだんか…」
「君菊を主として、尽くします」
「勝手にしぃ」
必要以上に人との関わりを減らした
新選組の宴会では、舞踊のみ
酌もしない
土方の隣には、花君太夫がいる
見ないようにしていても、見てしまう
(あかんな…早う忘れななぁ~)
座敷を出て、次の客 島田屋と会う
「島田屋はん…
うちな、身を売ろうと思ってまして
せやけど、言うておきながら
踏ん切りがつかへんゆうか」
「結婚が破談になったからて、君菊が責任感じることやない
君菊には、芸があるやないか
そういうことは、好いた男とせな
虚しいだけやで?」
「はぁ?そうどすか…
島田屋はんにいつも、相談さしてもろて
助かりますわ
おおきにどす」
君菊は、島田屋に話すとホッとして
笑う
「そうや、君菊
これ、少ないけど先日の礼や」
「気にせんといて!!
料理は、好きやからええんどす」
「いや、昼間にわざわざうちに来てもらったんだ
これは、給金なんだから!」
スパーン!!
「この馬鹿!!何を考えてんだ!!
こんな少ない金で、身を売ろうってのか?
こい!!!」
物凄い剣幕で、入って来た土方に
グイッと立たされ、連れて行かれる
「ちょっと!!土方はん!!なんどす?」
番頭の処まで行き、ダンッと金を置いた
「君菊は、俺が買う」
あっという間に、部屋で二人きり
「あの… 土方はん
なんのつもりどす?」
「お前を買うっつってんだ!!」
(身を売る話を聞いたのね
与一のバカ!うちに尽くすって
言ったのに、また裏切られた)
「ほな、土方はんがうちの初めてのお客はんになってくれるんやね?」
「…ああ」
(涙を流すのは、いつぶりやろか…
島田屋はんは、好いた男とせなって
言うてたけど、ちゃうな
好き合うてへんとあかんのや
うちだけ好きで
土方はんは、ただ買っただけ
虚しいて、たまらへん…)
涙を見られないように、背を向け
着物を着る
もう、二度とこういうことはしないと
決めた
眠る土方を残して
部屋を出た
「君菊」
「口が軽いんは、治してほしいもんやな」
君菊を待っていた与一に、それだけ言ってから
自室に籠もった