大好きな君の嘘
孤独な女
日に日に大きくなるお腹が怖くてたまらなかった

(はち切れるんちゃうか……)





怖くて怖くて、仕方なかった


「君ちゃん?お出掛けせえへん?」


明里が部屋を覗くと、君菊は布団に
潜り込んだ


部屋に入り、布団のそばに座った


「君ちゃん?具合悪いんか?」

「……明ちゃん
うち…… 


何でもない……
堪忍…… 一人にして」


言えなかった

明里にどんな反応をされるのか

怖かった

味方になってくれるだろうとは

思っていたが、万が一

そうでなかった場合を想像したのだ



部屋に一人になってから



(ここを出よう)


夜、皆が仕事に出てからなら

人目につかず抜け出せるはず









年が明けたばかりの


賑やかな夜




君菊は、置屋を抜け出した









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