『“せんせい”のくせに。』
女の子のくせに。
ーー2月18日AM1:50
「、やっぱり寝てる。」
電話で“会いたい”って言うから
会いに来たのに。
合鍵で部屋に入れば、布団も掛けずに
スーツのままソファーで眠る圭太。
「けいた、」
『……あれ、美鈴?』
重たそうな瞼を開けてこちらを見上げたかと思うと、その男らしい腕が私をソファーの上に引き寄せて。
圭太との距離が近づいたせいで
私の胸はドキドキと脈を打った。
「圭太が呼んだんでしょ。」
『あー、そうだった。
こんな時間にごめんな、』
ソファーの幅が狭いせいで
近すぎる距離感で“ごめんな”なんて言われたら、寒い中ここまで来た苦労も消えてしまう。