『“せんせい”のくせに。』
ーー
『よし、終わり。』
「……」
『ん、どうした?』
診察が終わっても、返事をしない私に圭太が首をかけしげてこちらを見る。
「…圭太の白衣ってずるいよね、」
今さらだけど
素敵な人+白衣の効果って
本当に侮れない。
『なんだよ、急に。』
「そりゃ看護師さんに告白される訳だ」
『ははっ、嫉妬する元気があるなら
大丈夫そうだな。』
圭太の手が、私の頭を
くしゃっと撫でる。