a desire

「…だから、泣きなよ。何も言わなくていいからっ。」




私は俯いたまま首を振る。人前では、泣きたくない…




いつもなら、人前だったら涙は出てこないのに。今日は堪えるので精一杯だ。




すると、彼が盛大なため息をついた。




何だか申し訳なくなった私はさらに俯いて、グッと涙を堪えた。