十六夜姫と青き月の国
御懐妊
王子が誕生したのは月から見える太陽がギラギラと輝いている朝の事でした。
第二夫人のアオイ様が御懐妊され無事に王子が産まれたのでした。
名前は望月王子
王と民は喜び、盛大な祝いの場が設けられたのでした。
これで月の国は安泰だと皆は思っていたのです。
しかし第一夫人のヒスイ様は違いました。焦っていたのです。
第一夫人でありながら第二夫人に先を越されてしまったからです。
このままでは第二夫人のアオイ様が妃となり王から寵愛を受けてしまいます。
そうなれば自分は用済みにされてしまう…そう思っていたある日、ヒスイ様にも御懐妊が確認されたのです。
望月王子が産まれてから半年の出来事でした。