博士とわたしのクローバー
大河原登場
~それから数日後〜
博士がクローバーを洗っている。
「優花、資料を片付けたら表の掃除をお願い。」
「あ、はい!」
優花は資料をまとめると表に向かった。
(最近は資料とか任せてくれるから嬉しいな♪)
そう思いつつほうきではく。


すると向こうから男子二人組がやってきた。
「なあ秀、またクラスの女子振ったのか?」
「ああそうだ。陸人、羨ましいのか?」
少し小太りの方が陸人、かっこいいほうが秀というらしい。
「いや、そうじゃなくてさ。あの子はクラスのマドンナ的存在の子だぞ。
前はあの子となら付き合ってもいいと言ってたじゃないか。」
「ああ、そうだったな。」
「そうだったなじゃないよ。全く、この間寄り道ついでにこの道を
通ってから毎日通ってるじゃないか。どうした・・・」
「いた!!!」
秀が指差した先は掃除をしている優花だった。
「・・・もしかしてあの子に一目惚れしたのか?」
「・・・ああ・・・」
(ダメだ、完全に見とれている。)
陸人は心の中でそう思った。
「秀、あの子はあの無人の研究所に最近出てきた子だぞ。なんであんな
子がいいんだよ。」
「あんな子とはなんだ!あの子は初めて僕の心を奪った子だぞ!」
「なら話しかければ?僕はもう帰るから。」
そう言って睦人はさっさと帰ってしまった。
(ああ、あの子に話しかけて見ようか・・・いや、急に声をかけるのはちょっ
となぁ、せめて名前は聞きたいなぁ・・・)
秀がうだうだ考えていると
「優花!クローバーが・・・」
「ニャーン!」
「うわぁ!」
突然中から水に濡れている三毛猫が出てきて頭に飛び乗ってきた。
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