きみへの想いを、エールにのせて

「一緒にいたって?」


私にハンカチを差し出した泉がすかさず突っ込むと……。


「まぁ、雄介暇だって言うから、遊んであげてたっていうか。その……」

「まさかあんたたち!」


泉の大きな声に「そう、かもね」と理佐が言うから驚いた。

それって、付き合い始めたということ?

驚きすぎて涙が引っ込んだ。


「いつからよ。で、どっちからコクったの?」


身を乗り出して質問攻めにする泉は、ちょっと興奮気味。


「先週、かな。雄介が付き合えって言うから仕方なく」

「なにが仕方なくよ。目尻が下がってるわ」


クスクス笑う泉は、「よかったじゃん」と理佐を肘で突っついた。


「そんなことより、茜よ」


理佐は話をはぐらかすかのように、私の話題に戻す。


「ううん。おめでと、理佐」


こんな時だけど、理佐に彼氏ができたのは私もうれしい。
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