きみへの想いを、エールにのせて
一流の葛藤
次の日。
「ちょっと」
学校に向かうと、校門で呼びとめられ、立ち止まった。
隣の中学の制服を着ているその人は――。
「あっ」
真夜さんだった。
「あっ、じゃないわ。どうしてくれるの?」
「えっ?」
「龍平があんなに無理して試合に出たのは、あなたのせいよ。あなたが、無責任に応援したりするから!」
目をつり上げ早口でまくしたてた彼女は、怒りをぶつけてくる。
「龍平の選手生命が断たれるようなことがあったら、絶対あなたを許さない」
「キャッ」
それだけ言い残した彼女は、私に肩を思いっきりぶつけて去っていく。
周りを歩く人達が、立ち尽くす私をチラチラ見ていくけれど、今はそれより……。
「私の、せい?」
『無責任に応援したりするから』という真夜さんの言葉が、頭の中でグルグル回って離れなくなってしまった。