きみへの想いを、エールにのせて
背骨を金属で固定する手術は、さほど難しい手術ではないようだけど、水泳に復帰できるかどうかは、私にはさっぱりわからなかった。
「行ってきなよ」
雄介君に結城君が入院している病院を聞いたものの、真夜さんの言葉が引っかかって、お見舞いに行く勇気が出ない。
もしかして、結城君も私のことを恨んでいるのかもしれないと思うと、一歩が踏み出せなかった。
それでも、彼のことが頭から離れない。
それから数日。
私の足は病院に向かっていた。
カバンの中にはチョコチップマフィン。
勢いで病棟まで上がったけれど、やっぱりそれ以上は進めなかった。
もし、彼のケガが私のせいだったとしたら、会わせる顔なんてない。
しばらく廊下に立ちつくし、雄介君から聞いていた部屋をじっと見つめていた。