きみへの想いを、エールにのせて

「結城君……」


思わず立ち止まってしまった。

私だと、わかってくれたんだ。


ほんのり温かい太陽の日差しが、私を照らす。

それなのに、どうしてこの光は結城君を照らしてくれないの?
私じゃなくて、結城君を照らして!


こみあげてくる後悔と、自責の念で、しばらくそこから動けなかった。


ラインのメッセージを既読にしてしまった私は、近くの公園のベンチで何度も何度もメッセージを打っては消した。


もうなにを言ったらいいのかわからない。
また余計な発言をして結城君を苦しめたら……と思うと怖い。


結局……【うまくできたかどうかわからないけど、よかったら食べてね】としか返せなかった。


そしてその返事が既読になるとすぐ……。


【おいしかったよ。ありがとう】と返ってきたから、飛び上がるほどうれしかった。
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