きみへの想いを、エールにのせて
だけど、腰の状態について一言も触れない彼が、心を痛めていることだけはわかった。
結城君が学校に復帰したのは、それから1週間後。
コルセットは巻いているようだけど、ひとりで歩くことができるようになっていた。
「龍平、おかえり」
「ただいま」
早速雄介君が挨拶を交わしていたけれど、私は近づけなかった。
だけど、思いのほか結城君の表情が明るくて、安心した。
なにか吹っ切れたような顔をしている彼に、どこか安堵していた。
もしかしたら、手術をして状態が回復したことで、また復帰への道を頭に描いているのではないかと思ったからだ。
でも……。
「チョコちゃん」
その日の放課後。
彼は私のところにやって来た。
「退院、おめでとう」
「ありがと」