きみへの想いを、エールにのせて
「あー、ムカつく。龍平なんであんなにできるんだよ」
時々結城君の近況を知らせてくれる雄介君は、英語が苦手。
「やっぱ、できるんだ」
理佐がそう聞くと……。
「うん。ちょっと聞くと、全部答える。塾の先生かっちゅーの」
と言いつつ、友達のことがちょっと誇らしげ。
あれから結城君とは挨拶以外は交わしていない。
でも、雄介君が私も南高校を目指していると話したら、恥ずかしそうに笑ってたと言っていた。
同じ高校に行きたいと思ってくれているって、期待しても、いいかな。
そしていよいよ受験。
南高校の受験のチャンスは2度。
前期と後期がある。
私は合格者が多く出る前期にすべてをかけていた。
そして――。