きみへの想いを、エールにのせて
「あった!」
合格発表当日。
自分の番号が表示されているのを見て、大きな声が出てしまった。
緊張のあまり手が震えていた私を、泉は笑っていたけど、彼女も合格。
私たちは合格を勝ち取ることができた。
「結城君、どうなのかな」
発表会場には、受験番号のみで名前の記載はないからわからない。
目が必死に結城君を探していた。
「来た」
結城君は発表前から待ち構えていた私たちとは違い、悠々と歩いてくる。
そして、受験票を取り出し確認すると、小さくガッツポーズした。
水泳の大会で優勝した時のように。
「受かったみたいだね。よかったね、茜」
「うん」
最近私は泣き虫だ。
目にうっすらと涙が溜まってきて、結城君の姿がかすんできてしまった。
「行って来たら?」
「ううん、いいの」
私は陰で応援し続けると決めたから。