きみへの想いを、エールにのせて
第3章
水泳部を作ろう
入学式が済んでしばらくすると、電車での登校にも慣れてきた。
だけど最初は、中学の時よりずっと早くなった起床時間がつらく、午後になるとあくびをかみ殺す日々。
おまけに、ちょっと背伸びして入った学校だったから、勉強も必死にやらないとついていけない。
「そろそろ始動する」
「本気でやるの?」
泉は呆れるけれど、私は本気。
水泳部を作るのだ。
南高校は進学校故、部活動は活発ではない。
先生達も部活より勉強に力を入れて欲しいという様子がありありと見えた。
だから部活に入らないという選択もでき、多くの人がその道を選ぶ。
ここは有名大学の医学部を目指すような秀才も多く、その人たちは例外なく帰宅部、塾直行コースだった。
でも、私は水泳部を作りたい。