きみへの想いを、エールにのせて
「ここはそういう学校だから」
奥寺先生は、大きな溜息をつく。でも……。
「とりあえず、立ち上げるだけ立ち上げるぞ」
「本当ですか!」
「部室は更衣室の隣が空いてるからあそこで。あと、プール掃除が条件」
「掃除……」
なんだかいいように使われているような気もするけど、仕方がない。
「でも、活動していないと部活として認められない。誰かひとりでもやるヤツがいないとな」
それもそうだ。
でも、それなら……。
「私、やります」
「はっ? 金づちなのに?」
奥寺先生は目を見開き驚いているけれど、私は本気。
結城君が水泳に戻れる基盤を作れるなら、なんでもやる。
「お前、面白いやつだな」
奥寺先生は豪快に笑う。