きみへの想いを、エールにのせて

「ここはそういう学校だから」


奥寺先生は、大きな溜息をつく。でも……。


「とりあえず、立ち上げるだけ立ち上げるぞ」

「本当ですか!」

「部室は更衣室の隣が空いてるからあそこで。あと、プール掃除が条件」

「掃除……」


なんだかいいように使われているような気もするけど、仕方がない。


「でも、活動していないと部活として認められない。誰かひとりでもやるヤツがいないとな」


それもそうだ。
でも、それなら……。


「私、やります」

「はっ? 金づちなのに?」


奥寺先生は目を見開き驚いているけれど、私は本気。
結城君が水泳に戻れる基盤を作れるなら、なんでもやる。


「お前、面白いやつだな」


奥寺先生は豪快に笑う。
< 143 / 374 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop