きみへの想いを、エールにのせて

「夏休みまでにリレーができる4人そろえれば、正式に部活として承認してもらえるようにしておいた。とにかくやってみろ」

「先生、ありがとうございます!」


これで道が開けてきた。



「ねぇ泉。入らない?」


部室の片づけを手伝ってくれた泉を勧誘してみたものの……。


「だってリレーを組めるようにしなくちゃいけないんでしょ? 結城君に入ってもらうんだったら、男子じゃん」


実にまともな返事だ。


「そう、だよね」


そのくらい切羽詰まっていた。
もっと簡単に集まると思っていたのに。


「とにかくビラ配り行くよ」

「はい」


私よりしっかり者の泉は、私を連れてビラ配りに向かった。


「水泳部部員募集中です」


補習が終わって帰っていく生徒たちに手渡していくものの、見ることもなくカバンにしまう人ばかり。
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