きみへの想いを、エールにのせて
この補習は、成績上位者のための特別補習。
だから、水泳なんてやっている場合じゃない人ばかりだから仕方ない。
「お願いします」
でも誰かひとりでも……と祈りながら配り続けた。
「チョコちゃん」
「あ……」
そこに通りかかったのは、結城君。
彼とはクラスも分かれてしまい、長い間顔も見ていない。
「久しぶり、だね」
彼は優しく微笑んでくれたけど、思わず手に持っていたビラを隠してしまった。
余計なことをしていると思われたらどうしよう……。
「それ、なに?」
それなのに結城君は、私が背中に隠したビラを覗き込んでくる。
「えっと……」
「水泳部の部員募集してます!」
そのとき、突然泉が割って入ってきた。
「泉!」
慌てて止めようとしたけれど、彼女は結城君をしっかりと見つめさらに口を開く。