きみへの想いを、エールにのせて

それから理佐と泉は、水泳部創立対策会議なるものを開いてくれた。
といっても、ただの女子会、近況報告会だけど。


「集まらないんだ、やっぱり」

「うん。まったく手ごたえなし」


私がそう答えると、理佐は小さくうなずいた。
理佐の高校には水泳部もあり、部員も多数いるらしい。


「南だもんね。皆、勉強してるよね」


理佐の溜息に泉が反応する。


「うん。私も中間テストの合計点、平均くらいだったもん」

「泉が?」


泉は中学では学年でも上位の方だったから、理佐が驚くのも無理はない。


「それじゃ、茜は?」

「そこ、聞いちゃうの?」


私は……なんとか赤点補習はまぬがれているものの、決して良い成績とは言えない。


「そんなこと言って。水泳部作ってる場合?」

「だから、勉強もちゃんとしてるよ」


赤点続出では、きっと水泳部なんてやめろと言われてしまうから、これでも必死。
< 151 / 374 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop