きみへの想いを、エールにのせて
「でも、茜だって理佐の高校だったら上位だよ?」
「それを言われると、なんとも」
泉に指摘された理佐は、気まずそうな顔をしているけれど、彼女も頑張っている。
「でもさ、手当たり次第ビラ配っても、難しいよね」
理佐が腕組みをしながらそうつぶやいた。
もともと部活なんてやっていられないという学校だし、水泳をやったことがない人が、今から始めるとは思えない。
まして、入部即リレー要員なのだから。
「雄介に探させるか」
「雄介君?」
理佐は私に大きくうなずいてみせる。
「そ、南に水泳やってた人、もしくは今でもやってる人知らないかって」
理佐はそう言いながら、もうラインを打ち始めた。
「いつも雄介君に頼んでばかりだし」
最初からずっと雄介君には迷惑をかけっぱなしだ。
「いいの、いいの。雄介、役に立つのうれしそうだよ?」
本当にいいのかな……。