きみへの想いを、エールにのせて

「あとは茜ね」

「私は……」


結城君と付き合えたらうれしいけど……それより今は、彼の水泳復帰を祈っている。


「結城君、茜のこと気になってると思うんだけどな」


理佐はそう言うけれど、せっかく同じ学校に入ったのにあまり接点がなくなってしまった。

でも……。

『ちゃんと泣いてくれる、アイツとは違うんだ』と言った時の彼を思い出し、心が揺れる。

結城君が、私のことを心にとどめていてくれる。
今はそれだけで十分だった。



『いるってよ』

「ホントに?」


理佐から電話で連絡が入ったのはそれから3日後。

雄介君のリサーチでは、元水泳選手が南高校にいるらしい。

しかも全国レベルの大会に出場経験があるほどの人だとか。


『うん。しかも1年生。やってた種目は100メートルバタフライ』

「バタフライ!?」
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