きみへの想いを、エールにのせて

適当に泳げたら苦労しない。

でも、動かなければ凍え死ぬかもしれないと思い、ビート板を持ってきてバタ足を始めた。

万が一の時、つかまれる場所が欲しいから、もちろん一番端のコースで頑張ったけど、ちっとも進まない。

何分かかったのか、やっと25メートル到達したころには息が上がっていた。
結城君ならもうなん往復もできている。


プールの金網に【部員募集中】の張り紙。
だけど、それを見ていく人すらいない。


「はぁ、前途多難」


大きな溜息をつきながら、もう一度泳ぎだした。



「あはは。それで100メートル泳いだの?」

「そう。すごいでしょ?」


結局昨日は、バタ足100メートル。
もちろん25メートルごとに大量の休憩付き。
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