きみへの想いを、エールにのせて
彼の優しさに目が潤む。
久しぶりの距離に胸を高鳴らせながら、彼に抱えられ2階の部屋に入り、すぐにベッドに横になると、彼の手が額に伸びてきた。
「やっぱり、熱高いな」
「ごめんね」
「チョコちゃんは謝ってばっかりだ」
少し恥ずかしげに微笑む彼は、「飲み物買ってくる」と部屋を出ていった。
まさか、こんなことになるなんて。
体はとてつもなく辛いけれど、結城君がまた水泳の世界に戻ってきてくれそうですごくうれしい。
それに、看病までしてくれて……本当に幸せだ。
しばらくすると、結城君が戻ってきた。
「ほら」
私にスポーツ飲料を差し出してくれた彼は、私を抱きかかえて起こしてくれた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
冷たい液体が、熱い体に吸い込まれていく。