きみへの想いを、エールにのせて

「でも、どうして泳いでるんだ?」

「それも条件なの。毎日活動を続けること。だからプールに水が入ったら、余程気温が低くない限り、入らないと」


それを話すと、彼は目を見開いた。


「そこまでして……」

「水泳、好きなの。結城君が競泳の楽しさを教えてくれたんだよ。個人でタッチの差を争うのも見ていて興奮するし、リレーで4人が心をひとつに重ねて、実力以上の力を発揮するのも、涙が出るくらい感動するの」


今シーズンは、まだ雄介君が出る試合に理佐と数回行っただけだけど、どの試合にも感動がある。


「でも、ホントは……」


『結城君が泳いでいるのが見たい』と言いそうになって口をつぐんだ。

彼はまだ復帰すると言った訳じゃない。
また焦らせてはいけない。


「俺も……好き」
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