きみへの想いを、エールにのせて

「これは、うれしい涙?」

「……うん」


号泣しながら笑ってみせると、彼は私の頬を手で拭ってくれた。


「早く治して。マネージャー、頼んだよ」

「うん」


声がかすれてしまった。
本当にこんな日が来るなんて、未だに信じられない。


それからすぐに母が帰ってきた。

結城君は「お世話になります」なんて挨拶までしてくれて、母はすっかり彼氏だと勘違いしている。


「結城君が看病してくれたの?」

「うん」


額に貼った冷却シートを見つけた母は、「いい子じゃない」と笑った。


「ちょっと、熱高いわね。薬飲んでおこうか。でも、明日は学校休みなさいよ」

「うん」


さっきまでの私なら、いつ誰が入部を希望してやってくるかわからないから、無理してでも学校に行って、部室を開けていただろう。

でも、私が復活するまで留守番してると、結城君が部室のカギを持っていってくれた。

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