きみへの想いを、エールにのせて
「お疲れ様でした」
他の3人に挨拶をして部室を出ると、彼はいつものように私の手を握った。
「リレーって、茜も知ってたのか?」
「知ってたというか……それを目標に4人集めたんだから、当然でしょ?」
『当然』は言いすぎだ。
つい最近までリレーに出られるとは思っていなかったのだから。
「まったく。めんどくせぇ」
と、卓君は言うけれど、あの興奮を思い出してほしい。
「個人の種目を頑張っていれば、リレーだって……」
そんな話をしていたら、突然彼が足を止めた。
そして、その視線の先をたどると……。
真夜さん、だ。
以前見た時より髪が長くなっていて、ふわりと吹く風にあおられている。
卓君も、彼女を知っているの?
不思議に思って彼を見上げると、私の手を一層強く握るから驚いた。