きみへの想いを、エールにのせて
「今度はお前がアンカーだ」
腰が万全でない結城君に比べると、卓君の方が短距離向き。
今回はその適性がタイムに出た。
「しょうがねぇな」
と言いつつも、卓君も笑顔だった。
「皆、お疲れさま。今日はそれぞれ収穫も課題も見つかったと思う。また次の試合を組むつもりだ。更にタイムアップを狙おう」
最後に結城君がそう締めると、他の3人もうなずいた。
そして、私たちを引率し、役員の係りの仕事を一日してくれた奥寺先生が合流して……。
「お前達、よくやったな」
「ありがとうございます」
「インターハイも夢じゃない」
それはまだ気が早い。
でも、結城君や卓君はそこを目指しているに違いない。
「学校で泳げなくなる分、練習量の確保が難しくなるとは思うが、それぞれ精進するように」
「はい」