きみへの想いを、エールにのせて
卓君は、ぐんぐんタイムを伸ばしていく。
スイミングに復帰してコーチがついたことで、本格的にフォームの改善に取り組んだ成果が出てきたのだ。
そして、練習に対する気持ちも変わってきているように感じる。
時には終わるとプールサイドに上がれないほど、自分を追い込む姿に、ハラハラもした。
それが、インターハイを目指すということなのかもしれない。
ブランクがある卓君は、その分を練習で埋めなくてはならないのだから。
そしてそれは結城君も同じで……。
久しぶりのミーティング。
現状報告を兼ね、次の試合の目標をどこに持っていくのかを決めるために集まることになっていた。
ホームルームが早く終わった私は、いち早く部室に向かい鍵を開けると、すぐに結城君がやって来た。