きみへの想いを、エールにのせて

「結城君、顔色悪くない?」


それに、なんだか頬がこけているような。


「どうしたの? ここ、座って」


慌てて椅子を勧めたけれど、彼は首を振った。


「平気だよ。ちょっと泳ぎ込みの時期だから、疲れてるだけ」

「でも、無理しないで」


腰のこともある。
それに、あきらかにやつれた様子の彼のことが心配でたまらない。

再び椅子を勧めると、彼は座ることなく私を真っ直ぐに見つめた。


「俺、チョコちゃんをインターハイに連れていく」

「結城君……」


全身を電流が駆け抜けたような衝撃が私を襲う。

結城君がつぶやいたその言葉は、卓君と同じ……。


「チョコちゃんと一緒に、あの会場に乗り込みたい」


『チョコちゃん』と呼んだ彼の目は、少しも揺らがない。
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