きみへの想いを、エールにのせて

少しだけ覗いて帰るつもりでクラブに行くと、結城君は一番端のコースでひたすら泳ぎ込んでいた。

学校のプールで泳がなくなってからまだ日が浅いのに、あの頃より確実に体が出来上がっている。

肩のあたりの筋肉が盛り上がっていて、練習の過酷さを示していた。


持ってきたストップウォッチでラップタイムを計ってみると、今までとは比べ物にならないほど速い。
これが結城君の底力なのだと、胸が震えた。


「あなた」


彼を目で追っていると、突然話しかけられ驚いた。


「真夜さん……」


辞めたはずの真夜さんがいるなんて、予想すらしていなかった。


「あなた、まだ龍平に付きまとってるの? 卓と付き合ってるんじゃないの?」

「私はマネージャーとして、様子を見に来ただけで……」
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