きみへの想いを、エールにのせて

マネージャーだからだろうか。
私がここに来てしまったのは、本当にそれが理由?


「マネージャー? なに言ってんの。龍平をそそのかしておいて、卓と付き合うなんてね。最低の女」

「そんな……」


そんなのあんまりだ。
結城君をそそのかしたことなんて一度もないし、卓君とだって……。

それを言うなら、真夜さんだって卓君から結城君に乗り換えたんじゃないの?


「もう龍平に近づかないで。マネージャーも辞めればいいのに」

「辞めません」


思わず大きな声が出てハッとする。


「あなた、選手やったことないんでしょ? この練習の辛さ、わからないでしょ?」


それは……。
まともに泳げない私には、フラフラになるまで泳ぎ込む結城君の辛さは、理解できないかもしれない。

でも、だから応援してはいけないわけじゃない。
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